今年もあの子は圏外だった。
輝かしいイベントの裏で肩を落として涙する少女がいた
センターとしての実力も人気もある。だけどずっと名前を呼ばれることはなかった
それでも今年こそはと諦めずに多くの人に知られることを願って自分を見せ続けた毎日
ひたすらステージで踊り、ひたすらストイックに活動し、ひたすら動画を撮り投稿した
やがて一粒の小さな誰かの疑問が集まると、それは大粒の思いへと変わる
これはSNH48の七不思議(ななふしぎ)なのだろうか。ファンのうちで囁かれ始めた噂
彼女は総選挙における「もう一つの物語」として注目されるようになっていった
次々と名前が発表される中で、あの圏外少女は今年ランクインできるのかに息をのんだ
期待と不安と絶望と希望。混沌とした中で、一人の少女の悲願は達成された
7年目となる今年、一票の重みを知るアイドルが最後の目標を掲げ始める
彼女がいて、この季節がやってきたのだと実感する。 10年桜の蕾たち
”スターには必ずストーリーがある” - 秋元康
今でも彼女は毎日カメラを持ち歩き一週間の出来事を影像に収めている
撮影のメイキングシーンや劇場の舞台裏、個人的な食べ歩きなど
もう何百回撮っただろう。活動の合間に編集まで全て一人でやっている。継続は力なり